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超音波検査(膵臓②)

超音波検査「膵臓②」

①,②は膵頭部に認めた膵管内粘液産生腫瘍(IPMN)の画像です。膵臓には膵液の成分を貯留する嚢胞構造を伴った嚢胞性腫瘍ができることがあり、IPMNは比較的よく見られる嚢胞性腫瘍です。膵液を十二指腸に分泌する主膵管と分枝でつながっている分枝型のIPMNは、しばしば多房性のブドウの房のような形態をとります。①では門脈(赤色矢印)の背側に17mm大の嚢胞性腫瘍IPMN(黄色矢印)を認め、②ではそのすぐ横にブドウの房の様に2個の小さなIPMN(黄色矢印)が雪だるま状に集簇しています。主膵管(紫色矢印)は1.4㎜で拡張していません。③,④は膵頭部にできたた12mm大の単房性の分枝型IPMN(黄色矢印)の同一症例画像です。脾静脈( 桃色矢印)が流入した門脈(赤色矢印)のすぐ横に腫瘍(黄色矢印)はあり、十二指腸ガスが影(緑色矢印)を引き被るためにエコーで描出しにくく、CTなどの精密検査で分枝型IPMNと診断されました。⑤,⑥も膵頭部にできた単房性の分枝型IPMNの同一症例画像です。分枝型のIPMNは多くは良性ですが、大きくなると時に内部に悪性の癌を含むことがあります。⑤,⑥では一部腸管ガスの影(緑色矢印)で見えにくい所があるものの、25mm程度の嚢胞構造の内部には悪性が疑われる充実性部分は認めず、良性腫瘍と判断され経過観察となっています。


⑦~⑨は膵体部の膵臓癌(黄色矢印)の同一症例画像です。膵臓癌は周囲との境界が比較的不明瞭な淡い黒色腫瘤に見えることが多く、⑦~⑨では膵体部に約35mm程度の一部で境界不明瞭な淡い黒色の腫瘍(黄色矢印の中)が見えています。大動脈から分岐した腹腔動脈が脾動脈と総肝動脈に分かれドップラー機能により色がついたY字形(赤色矢印)に見えている近くに、淡い黒色の腫瘍像を認めます。腫瘍内部に一部で濃い黒色に見える所(水色矢印)も含み、腫瘍内部の濃さは一部で不均一に見えます。この症例の画像では、腫瘍より膵尾部側の主膵管は腸管ガスのため描出できませんでしたが、膵臓癌が主膵管を閉塞すると腫瘍より膵尾部側で主膵管の拡張が見られることもあります。 ⑩~⑬は膵頭部と膵体部の境界付近に発生した膵臓癌の同一症例画像です。25mm程度の灰色の腫瘤影(黄色矢印)を膵頭部と膵体部の境界域に認め、⑫では内部に一部で黒色の濃い部分(水色矢印)も認めます。緑色矢印はドップラーで色が付くため血管で門脈とそれに流れ込む脾静脈です。その表面に膵臓癌(黄色矢印)が見え、腫瘍の膵尾部側の主膵管(紫色矢印)は腫瘍による閉塞で膵液が鬱滞し4.6~6.7㎜に拡張しています。⑬は縦方向の画像で、肝臓(桃色矢印)の足側で胃(白色矢印)の背側に、膵臓癌が淡い黒色の腫瘤(黄色矢印)として見えています。

 

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