· 

超音波検査(胆嚢②)

①は総胆管(黄色矢印)の正常像で、胆嚢(赤色矢印)からの消化液(胆汁)は総胆管を通って十二指腸に分泌されます。この総胆管も時に拡張することがあります。②の黄色矢印は16mmに拡張した総胆管です。この方は胆嚢摘出の手術をした術後で、胆嚢はありません。胆汁をためる胆嚢がないため、術後の長い経過で総胆管が少しずつ拡張したもので、これは胆汁をためる機能を補うための拡張で、異常所見ではありません。③, ④, ⑤は同一病変です。胆嚢内は多量の泥や砂や石で埋め尽くされています。③は胆嚢を長軸で、④は短軸で輪切りにしたエコー像ですが、どちらの方向から見ても胆嚢内は灰色の泥や砂や小結石(黄色矢印)で埋め尽くされ胆汁が入っていないため、一見すると胆嚢自体も判別しにくくなっています。よく見ると白色の胆嚢壁(赤色矢印)を追うことができ、胆石による慢性的な炎症のため、白色に見える胆嚢壁が一部厚く見えるところもあります。この胆嚢は充満型の胆石に覆いつくされ、胆汁を貯蔵できない胆嚢無機能状態が一定の期間持続していたと推測され、⑤では胆石で埋め尽くされた胆嚢(赤色矢印)と、無機能胆嚢のために12mmに拡張した総胆管(黄色矢印)が観察できます。


⑥, ⑦は同一病変で、胆嚢内に6㎜大の胆石(赤色矢印)が数個あり、胆石は強く背後に影を引いています(黄色矢印)。⑦では胆石は胆嚢内にとどまり、総胆管(黄色矢印)に拡張は認めません。しかし、胆嚢内の胆石が時に総胆管に落ちたり、また総胆管に石ができることもあります。総胆管結石があると、しばしば総胆管は拡張します。⑧, ⑨, ⑩は総胆管結石の同一症例です。⑧で総胆管は17mmに拡張(黄色矢印)しています。胆嚢頸部に近い総胆管に白色の総胆管結石(緑色矢印)があり、下部総胆管にも16㎜大の総胆管結石(赤色矢印)が見え背後に黒色の影(ピンク矢印)を強く引いています。別角度で見た⑨の画像でも、胆嚢に近い総胆管に比較的影が弱い11mm大の総胆管結石(緑色矢印)を認め、それとは別に下部総胆管にも総胆管結石(赤色矢印)があり背後に強く影(ピンク矢印)を引いています。下部総胆管は膵臓内を通り、膵臓からの膵液が流れる主膵管と合流して十二指腸に開口します。⑩は膵臓もよく見える向きからの画像です。緑色矢印に囲まれた膵臓の中に、輪切りの像(黄色矢印で囲まれている部位)で拡張した総胆管が黒色に見え、その中に総胆管結石(赤色矢印)が見えます。この総胆管結石は強くエコーを反射し、結石の表面のごく一部のみが白色に見えるものの( 赤色矢印)、胆石の大部分は真っ黒な影(ピンク矢印)に覆われています。総胆管結石があると胆汁の流れが停滞し時に総胆管は拡張しますが、膵液の流れも鬱滞すると主膵管も拡張することがあります。⑩の写真でも主膵管(白色矢印)がやや目立ちますが、この症例では異常というほどは拡張はしていません。

 

参考ブログ: 

超音波検査(肝臓①) 超音波検査(肝臓②)

超音波検査(胆嚢①) 超音波検査(胆嚢③)