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超音波検査(肝臓①)

超音波検査「肝臓①」

肝臓は食物の脂肪成分の吸収を促進するための胆汁という消化液を作ったり、血液成分の中の毒物を解毒したりする大切な働きをしています。焼肉でレバーにあたるのが、肝臓に相当する臓器になります。肝臓は人の体の中で右上腹部の肋骨の下あたりにある大きな臓器で、正常の肝臓はエコーでは①や②や③のようにな灰色の画像の臓器として見えます。それに対して④は脂肪肝の肝臓の画像です。脂肪肝ではエコーで観察すると、肝臓に脂肪がたまって肝臓は白っぽく見えるようになります。③や④の画像では、中が白くて外が黒い円盤のような臓器(赤い矢印)は腎臓で、黄色の矢印の部分が肝臓です。③の正常な肝臓(黄色い矢印の部分)は、腎臓の外側の皮質の部分(赤い矢印の部分)と同じくらいの色になっています。しかし、④の画像では肝臓(黄色い矢印の部分)のほうが腎臓(赤い矢印の部分)よりも白っぽく見えています。これは肝臓に脂肪がたまることによって肝臓が白く見えるためにコントラストができており、脂肪肝の典型的な画像になります。


⑤の画像は肝臓の中の4.2mm大の石灰化です。白色の点状の部位は固く石の様になっており、そのため石灰化の後方部分はエコーを強く反射するために黒い影を引いています。⑥、⑦、⑧は肝嚢胞の画像です。肝臓には時として、肝嚢胞といわれる液体がたまる袋のようなものができることがあります。エコーでは真っ黒く抜けたような色調に見えるのが肝嚢胞の特徴です。肝嚢胞はたいていの場合、人体に大きな悪影響を及ぼすことはありません。⑧は12㎝以上になった大きな肝嚢胞です。⑨、⑩は肝血管腫の画像です。肝臓には血管腫といわれる血管の塊のような腫瘍ができることがあります。血管腫も人体に悪影響を与えることは、ほとんどありません。血管腫はたいていのものは白っぽい腫瘍として見え、良性の腫瘍になります。

 

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