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超音波検査(肝臓②)

肝臓の腫瘍は血管腫を除いて、一般的に小さいものではエコーで見ると淡い黒色にみえることが多いために、淡い黒色の腫瘍を見た場合には悪性腫瘍との鑑別が必要になります。①は8mm大の白色の血管腫です。②も41mm(黄色矢印)と12mm(白色矢印)の2つの腫瘍を認めており、両方とも白色の血管腫です。良性腫瘍である血管腫は、しばしば肝臓の辺縁に白色の腫瘍として見られ、またいくつか同時にできることがあります。一方、肝臓の悪性腫瘍は、エコーでは淡い黒色の腫瘍として見えることが多いです。③と④は同一症例です。10mm弱の淡い黒色の腫瘍像を示しており、エコー検査では肝細胞癌の可能性も疑われましたが、造影CTでの精密検査では良性の血管腫と診断されました。エコー検査では時として血管腫でも黒い腫瘍として見えることもあります。⑤は肝嚢胞という肝臓に液体が溜まっている袋で、くっきりと黒く抜けて見えるため、肝臓の悪性腫瘍との鑑別は比較的容易です。肝嚢胞も良性です。


⑥,⑦は同一症例で、エコーで10㎜前後の淡い黒色の腫瘍として発見され、肝臓の悪性腫瘍の可能性も疑われた症例です。造影剤を注射しながら撮影する造影CTの見え方でも肝細胞癌が疑われたため専門病院に紹介となりましたが、専門病院でのいろいろな精密検査の結果ではFNH(限局性結節性過形成)という良性腫瘍と診断されました。⑧はエコー検査にて発見された10mm大の肝臓の悪性腫瘍の症例で、淡い黒色の腫瘍として見えています。⑨,⑩は同一症例で淡い黒色に見えた15mm大の肝臓の悪性腫瘍(黄色矢印)の症例です。画像上胸水の貯留が真っ黒い像としてみられ(白色矢印)、⑩では真っ黒な像として見えている胸水(白色矢印)の中に、虚脱した肺(ピンク色矢印)が灰色~白色の像として見られています。


⑪,⑫は同一症例の転移性肝癌で、⑪は最大8cm近くはある大きな腫瘍性病変で、大きな腫瘍の周囲に小さな淡い黒色の転移性肝腫瘍(黄色矢印)が散在しています。転移性肝腫瘍は肝臓内に多発する傾向があったり、見え方も黒く見えたり、白く見えたり、腫瘍の周囲に黒色の縁取りがある腫瘍に見えたりと、時に多彩な見え方をすることがあります。また⑪では、黒色の縁取りを伴う小さな腫瘍が大きな腫瘍の内部に見られており(ピンク矢印に囲まれている中に一つずつあります)、このように腫瘍の内部に小腫瘍がみられるのは悪性腫瘍に時に見られる所見です。⑫は、⑪の8cm大の病変の近くの肝臓内に見られた淡い黒色の15㎜大の転移性肝癌で、肝臓内に多発しています。⑬,⑭,⑮は同一症例で、白色の腫瘍が肝内に多発した転移性肝腫瘍です。⑬では17㎜大の白黒の入り混じった色調の腫瘍(黄色矢印)以外に、白色の腫瘍(ピンク矢印)や、淡い黒色の腫瘍(赤矢印)と多彩な見え方の転移性肝腫瘍が混在しています。⑭でも白色の小腫瘍が多発(黄色矢印)する中、淡い黒色の転移性肝腫瘍(赤矢印)もみられ、⑮では多数の白色の小さな転移性肝腫瘍(黄色矢印)が肝臓内に集簇しています。