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超音波検査(腎臓②)

超音波検査「腎臓②」

①は腎杯の中にある腎結石です。黒色に見える腎杯(青色矢印)の中に、白色の3.6mmと4.9mm大の腎結石(赤色矢印)を認めています。腎結石は強くエコーを反射するため、背後に黒色の影(ピンク色矢印)を引いています。②③は、腎内腎盂の中にある腎結石(赤色矢印)です。黒色に見える拡張した腎内腎盂(青色矢印)の中に、15mm大の白色の結石を認めています。結石はエコーを強く反射し、背後に黒い影(ピンク色矢印)を引いています。このような腎杯や腎盂の中の腎結石が、尿管に落下して詰まると尿管結石となります。尿管に結石が詰まると、腎臓で生成された尿が、腎盂・尿管を通って膀胱に通過できなくなり、腎盂の内圧が上昇し、腎盂が腫れる状態となります。これが水腎症です。④は軽度の水腎症の画像です。腎内と腎外の腎盂(黄色矢印)が拡張して、腎盂の形が黒色にはっきり見えるようになっており、ごく軽度ですが腎杯(青色矢印)の拡張も見られます。腎臓から膀胱までの尿路の通過障害により、水腎症は発生し、閉塞の原因としては尿管結石が最多ですが、尿管の腫瘍などの病態でも尿の通過が滞ると水腎症を発症することがあります。


⑤⑥は同一症例で、中等度の水腎症です。画像では、黄色矢印で示されている黒色の部分は、腎外から腎内まで拡張した腎盂で、青色矢印が示している黒色部は拡張した腎杯です。拡張した腎内の腎盂には、白色の7mm大の腎結石(赤色矢印)を認め、背後に黒色の影(ピンク色矢印)を引いています。このような腎結石が腎盂から尿管に落下し、尿管で詰まると尿管結石となります。尿管結石が詰まり尿管の閉塞が起きると、このように水腎症を認めます。

⑦⑧⑨は同一病変(赤色矢印)で、腎血管筋脂肪腫といわれる良性腫瘍です。腎血管筋脂肪腫では、平滑筋といわれる筋繊維が血管を取り囲むように存在し、その間に脂肪組織を認めるため、エコーで見ると類円形の境界明瞭な白色の腫瘤として見えます。腎血管筋脂肪腫は良性腫瘍であり、特に治療は必要としません。⑦⑧⑨でも、8~9㎜程度の白色の円形の腫瘤として見えています。


⑩⑪⑫⑬⑭は腎盂腫瘍の同一症例です。⑩⑪では、黒色に見える拡張した腎内腎盂(緑色矢印)の中に、突出して広がり増殖した灰色の腫瘍像(赤色矢印)を認めています。また、腎臓の中には、一部拡張した腎杯(水色矢印)と考えられる濃い黒色部位を認めるとともに、腎杯や腎盂の周囲の腎臓は、灰色~淡い白色の部分(白色矢印)や淡い黒色の部分(ピンク色矢印)など、濃淡がまだらで濃度が不均一になっています。この濃度が不均一な部分は、広く腫瘍細胞が腎臓内に浸潤していることにより内部の濃淡がまだらに見えています。⑫の腎臓の長軸像の画像でも、腫瘍細胞のびまん性の浸潤により、腎臓は全体的に緊満しています。また一部の腎杯は拡張(青色矢印)しており、腎臓の内部は淡い黒色部(ピンク色矢印)や、灰色~淡い白色の部位(白色矢印)を認める濃淡不均一な像を示しており、腎盂から腎臓実質への腫瘍細胞の浸潤によるものと考えられます。さらに、腫瘍による腹腔内のリンパ節腫脹も見られ、⑭⑮では20mm弱に増大したリンパ節(赤色矢印)が大動脈周囲に見られています。

 

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