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超音波検査(大腸④)

超音波検査「大腸④」

潰瘍性大腸炎とは、肛門近くの直腸から口側の大腸にかけて連続して炎症を起こし大腸粘膜にびらんや潰瘍を生じる病気で、下痢などの排便障害や腹痛、血便、粘液便などを生じます。特定疾患の難病に指定されており、その粘膜障害の発症要因には人体の免疫機能が関与しています。潰瘍性大腸炎はその粘膜障害の範囲により、直腸のみに病気が限局している直腸型、直腸からS状結腸や下行結腸,左側横行結腸に限局する左半結腸型、全大腸に病変を認める全大腸型に分けられます。①~③は直腸型の潰瘍性大腸炎の内視鏡像です。①,②で塑像な直腸粘膜には毛細血管が見えませんが、②の画像では少し奥のS状結腸への移行部のあたりから粗造な粘膜は軽減し、③の深部大腸では血管透見が確認できる正常粘膜となっています。④~⑦は左半結腸型の潰瘍性大腸炎の同一症例画像です。エコー像では④で直腸の壁肥厚(赤色矢印)を認め、そこから連続性の壁肥厚を示し、⑤では下行結腸移行部付近のS状結腸の壁肥厚(赤色矢印)が確認できます。⑥の下行結腸の長軸像では、層構造が保たれた連続性の壁肥厚を認め、短軸像でも下行結腸(赤色矢印)と左側の横行結腸(黄色矢印)の壁肥厚が確認できます。⑦,⑧は同症例の内視鏡画像で、血管透見が消失した粗造な粘膜面が見られます。


⑨~⑬は全大腸型の潰瘍性大腸炎の同一症例の画像です。エコーで直腸から盲腸まで連続性の壁肥厚を認め、⑨の上行結腸内部には大腸ガスや便塊が白色像(白色矢印)に見えるとともに大腸壁の壁肥厚(赤色矢印)が確認でき、⑩の下行結腸でも壁肥厚像(赤色矢印)を認めます。内視鏡画像でも肛門から連続性に血管透見の消失した細顆粒状の粗造な粘膜面を認め、⑪の虫垂入口部、⑫の大腸と小腸の移行部であるバウヒン弁の粘膜、⑬のS状結腸と全大腸で粗造な粘膜面が確認できます。⑭~⑳も別の全大腸型潰瘍性大腸炎の同一症例画像です。⑭は小腸から大腸に移行した部位(回盲部)の壁肥厚、⑮は上行結腸、⑯⑰は横行結腸、⑱は下行結腸と、連続性の壁肥厚(赤色矢印)を認めます。横行結腸(⑯,⑰)では中心に腸管ガス像の第1層(白色矢印)が白色に見え、その外側の第2~4層が高度炎症により黒色に肥厚し、大腸壁の層構造が判別しにくく一体(水色矢印)になっています。高度炎症により、本来なら白く見える第3層の粘膜下層が判別不能で破壊され黒色になっています。また肥厚した第2~4層内に潰瘍形成が疑われる白色線状部 (黄色矢印)を認めますが、最外層の第5層の漿膜(緑色矢印)は保たれて見えます。⑲,⑳の内視鏡像では、血管透見の消失した塑像な粘膜面が確認できます。

 

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