下痢とは水分を多く含んだ軟便や水様の便がでる症状で、発症して2週間以内の急性の下痢と、4週間以上持続している慢性の下痢に分けられます。急性の下痢でもっと多いものは、ウイルスや細菌などによる感染性胃腸炎による下痢です。ウイルス性腸炎では十分な水分摂取を心がけ、お腹に優しい食事をする保存的治療で改善しますが、粘膜障害の強い一部の細菌性腸炎では抗生剤による治療が必要になることもあります。また、摂取した薬剤や食品などの影響により急性の下痢が起こることもあります。4週間以上持続する慢性の下痢のうち頻度が高いものとして、ストレスや不安などがその増悪因子となる過敏性腸症候群があげられます。血便を伴う慢性の下痢では、重篤な疾患の可能性があるために内視鏡での検査が必要になります。炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)は、体の免疫機能が関与した腸炎で、若い人にも発症することがあり、的確な診断と継続した治療が必要になります。また高齢者で便秘や下痢を繰り返す人には、大腸癌が下痢の原因になっていることがあり注意が必要です。(さらに詳しい説明と画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)