トピックス

下腹部痛
トピックス · 02日 2月 2025
下腹部痛は様々な病気が原因となり、頻度的に多いのは消化管の病気で、便秘や下痢などに伴う腸管蠕動運動が原因の下腹部痛が実際にはよく見られます。感染性腸炎などの腸管感染症による下痢や、過敏性腸症候群で認める下痢や便秘、時に潰瘍性大腸炎やクローン病などの免疫機能が関与した腸管炎症による下痢や血便でも下腹部痛を認めます。また、腸管の蠕動運動低下などにより起こる便秘症でも、下腹部痛は起こります。さらに腸閉塞や、腸管の腫瘍性病変などによる器質的な排便障害も原因になります。一方、虫垂炎や大腸憩室炎では、痛みの場所が限局している限局性腹膜炎による体性痛を認めることが多いです。また、女性では子宮や卵巣などの婦人科疾患が下腹部痛の原因になることもあり、女性の下腹部痛では婦人科疾患にも注意が必要です。さらに尿管結石や膀胱炎、尿閉などの泌尿器疾患、動脈瘤の解離や破裂、帯状疱疹など、消化管以外の原因で下腹部痛が起こることもあり、下腹部痛の診察では腹痛以外の随伴症状や病状経過などから原因を推定し、各種検査による的確な診断・治療が必要になります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

高血圧
トピックス · 22日 1月 2025
血圧とは心臓が血液を血管に送り込む圧力で、その血圧が基準値より慢性的に高い状態が高血圧です。心臓は体中に血液を送るポンプの役割を果たしており、収縮と拡張を繰り返しています。動脈圧が心臓の収縮により最高値になった値が収縮期血圧、心臓の拡張により圧が最低になった時の圧力が拡張期血圧です。高血圧では基本的には自覚症状はなく、一日の中でも血圧は変動しており、血圧高値を認めても一時的であれば多くの場合人体に大きな影響はありません。ただし、高血圧が長期にわたり持続すると全身の血管の動脈硬化を引き起こし、脳血管障害や心疾患などの原因になります。そのため高血圧症では、無症状であるからといって放置すると将来的に命に関わってくることがあり、それらの病気の発生率を低下させるために継続した治療が必要です。高血圧の90%以上は本態性高血圧症で生活習慣病としての要素が強く、減塩や体重減少などの生活習慣の改善を行うとともに、体質的な要因もあることから、生活習慣を改善しても高値が持続する場合には、内服薬による継続的な治療が必要になります。(さらに詳しい説明が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

上腹部痛
トピックス · 11日 1月 2025
腹部の痛みは種々の原因にて発生し、胃や十二指腸、大腸など消化管の病気や、胆嚢や膵臓など消化器の病気で起こることが多いものの、尿管結石や帯状疱疹、心筋梗塞など消化器以外の病気でも上腹部痛は起こることがあります。腹痛はその痛みの性状から、内臓の動きやハリなどが内臓神経を刺激することで生じる痛みの場所が漠然とした鈍い痛みの内臓痛と、腹膜や腸間膜に分布する知覚神経が刺激されて起こる痛みの場所がはっきりした鋭い痛みの体性痛に分けられます。腹痛の診断では、上腹部の中でも、右上腹部、左上腹部、みぞおち付近、臍周囲と、痛みの出る場所に病気ごとの違いもあり、また病状経過や、痛みの性状や持続時間、腹痛に付随する症状などを知ることで、腹痛の原因がある程度推定できることもあります。実際の診療では、腹痛に関するそれらの情報から原因となる病気を推定し、そのうえで血液検査やレントゲン、エコー、CTなどの画像検査や内視鏡検査などを行うことで原因となる病気を適切に診断し、それぞれの病気に対する治療を行うことになります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

超音波検査(腹水①)
トピックス · 21日 12月 2024
腹腔内には腹部臓器の摩擦を少なくするために、腹水という少量の液体が正常の人でも20ml~50ml程度存在しています。正常の人の腹水は少量なので、エコーでは多くの場合見えませんが、病気により腹水が増加するとエコーで観察されることがあります。仰向けに寝て行う腹部エコーでは、肝臓と右腎臓の間の空間(モリソン窩)や、脾臓の周囲、子宮背部と直腸前面の空間(ダグラス窩)は腹水が貯留しやすい場所です。腹水を生じる原因は様々ですが、肝硬変や腎不全では血液内のタンパク質の減少により血管内の浸透圧が低下し、血液中の水分が腹腔内に漏れ出る低密度の薄い漏出性腹水を生じます。一方、腹腔内の炎症や腫瘍により腹膜の透過性が亢進すると、タンパクや血液成分、腫瘍成分を多く含んだ高密度の濃い浸出性腹水を生じます。女性のダグラス窩周囲の少量腹水は、生理的な排卵周期に伴う一時的な腹水で異常でないことも多いです。肝硬変になると、血液中の蛋白質が低下して低栄養となり、また肝臓が硬化し肝臓に流入する門脈という血管の内圧が上昇して、腹腔内に漏出性の腹水を生じます。(さらに詳しい説明と画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

嘔吐・吐き気
トピックス · 12日 12月 2024
嘔吐や吐き気の症状は、脳内の嘔吐中枢が刺激されることで起こり、非常に多くの病気で嘔吐や吐き気の症状は生じます。嘔吐や吐き気の症状は、急性胃腸炎や逆流性食道炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、腸閉塞などの胃腸疾患や、胆石症などの消化器の病気によっておこることが多いものの、脳梗塞や脳腫瘍などの頭蓋内病変により起こったり、耳鼻科領域の疾患により体のバランス機能がうまく働かずめまいと共に生じることもあります。また、重症の糖尿病や電解質異常、腎不全や肝不全などの全身状態悪化に伴って発生したり、インフルエンザやコロナ感染症では発熱に伴い吐き気を認めることもあり様々な病気がその原因となります。さらに、精神的なストレスで吐き気を認めることもあれば、飲酒や特定の薬物の副作用で吐き気が起こることもあります。嘔吐や吐気の症状の原因疾患は多岐にわたるため、嘔吐や吐き気の症状を認めた時には、下痢や便秘、腹痛やめまい、頭痛や発熱などの随伴症状の有無や病状経過、身体所見、種々の検査にて的確に原因を特定し適切な治療を選択することが重要になります。(さらに詳しい説明と画像が見たい方は、「続きを読む」を押してください。)

鉄欠乏性貧血
トピックス · 22日 11月 2024
鉄欠乏性貧血とは鉄分の不足が原因で起こる貧血で、貧血の原因として最も多いものが鉄欠乏性貧血です。血液は、赤血球や白血球、血小板の細胞成分と、血漿という液体成分からできていて、全身に酸素を運搬する働きを担っている赤血球は、赤血球中のヘモグロビンが酸素と結合することでその役割を果たします。ヘモグロピンの生成には鉄が必要であるため、鉄分が不足するとヘモグロピン生成が阻害され貧血となり、倦怠感や息切れ、動悸やめまいなどの症状を生じます。鉄不足の原因には、鉄の摂取不足や吸収力低下などもありますが、最多なのは出血による鉄分の喪失です。女性であれば、月経による出血のため鉄欠乏性貧血になることが最も頻繁に見られます。出血している自覚がなく慢性的に貧血が進行している場合には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃癌や大腸癌などの消化管の病気のために、便の中に出血をして貧血が進行している事があり注意が必要です。そのため男性の貧血や女性で高度貧血を認める場合には、胃や大腸の内視鏡で消化管の精密検査を行い、貧血の原因検索をすることが必要になります。(さらに詳しい説明を希望されるかたは、「続きを読む」を押してください。)

令和6年インフルエンザワクチン予防接種実施中
トピックス · 17日 11月 2024
例年インフルエンザは11月末から12月になってから流行開始することが多いものの、今年はすでに全国的にインフルエンザの患者が増加し、厚生労働省はインフルエンザが全国的な流行期に入ったと11月8日に発表しました。インフルエンザが流行期に入る時期は、一年間を通じて流行した2023年を除くと、今年は2009年に次いで2番目に早く、今年は早期に流行感染が広まる可能性があります。インフルエンザの感染予防にワクチン接種は有効であり、たなべ内科クリニックでは現在ワクチン接種を実施中です。呉市に住民票がある呉市在住の方のうち65歳以上の高齢者は、呉市から補助があるために1000円でインフルエンザワクチンの予防接種が可能で、それ以外の方は3500円となります。インフルエンザワクチンの予防接種をご希望の方は、クリニックの診療時間内に電話での予約(0823‐71‐1001)をしてください。(さらに詳しい説明をご覧になりたい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

血便(便に血が混じる)
トピックス · 11日 11月 2024
血便とは、便に目で見てわかるくらい血が混じっている状態で、血便があるということは食べ物の通り道である消化管のどこかから出血していることを意味しています。胃、十二指腸などの上部消化管からの出血では、黒色便という真っ黒な便になることが多いものの、上部消化管出血でも出血量が大量であれば赤色の血液が便と共に排出されることもあります。しかし、一般的に赤色の血液が便中に見られる時は、多くの場合は大腸や肛門など下部消化管の病気により出血しています。血便の診断では、血便の程度や色調、血便に随伴する症状や病状経過などにより出血の原因をある程度予想できることもありますが、正確な診断には内視鏡検査が必要になることも多いです。血便を起こす病気は多岐にわたり、虚血性大腸炎や肛門疾患などによる出血では保存的な治療で改善することも多いものの、大腸癌や潰瘍性大腸炎などの病気では、大腸内視鏡などの精密検査を行うことで的確に診断し、その病状に合わせて適切な治療を選択することが必要になります。(さらに詳し説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

令和6年コロナワクチン定期接種実施中
トピックス · 01日 11月 2024
呉市では10月15日以降に、高齢者のコロンワクチンの定期予防接種が開始になっています。たなべ内科クリニックもでも10月中旬からコロナワクチン接種を開始し、2週間以上経過していますが、コロナワクチンを接種した方に重篤な副反応は見られておりません。たなべ内科クリニックで使用しているワクチンは、ファイザー社のコミナティ筋注シリンジです。以前のファイザー社のコロナワクチンは1瓶に6人分のワクチンが入っている製品でしたが、今回のコミナティ筋注シリンジは一人1本の注射器にワクチンが入っている製剤で、注射針を取り付けてすぐに接種できるタイプになっています。高齢者のコロナワクチンの定期予防接種の対象者は65歳以上の高齢者で、呉市に住民票がある方は市からの補助があるために、2100円の自己負担でワクチンの接種が可能です。呉市のコロナワクチンの公的補助は令和6年10月15日から令和7年1月31日までになっています。ワクチン接種をご希望の方はクリニックの診療時間内に電話予約をお願いします(0823‐71‐1001)。(詳しい説明をご覧になりたい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

超音波検査(食道)
トピックス · 20日 10月 2024
食道はのど(喉頭)と胃をつないでいる管状臓器で、胸部では左右の肋骨が結合する胸骨の背後に食道は位置するため、胸部食道は基本的にエコーでの描出は困難です。しかし、頸部食道や腹部食道の一部はエコーで観察可能です。正常の頸部食道は甲状腺の左葉の背後に層構造を認める管腔臓器としてエコーで見えます。食道入口部に食道憩室があると、甲状腺左葉の背側の食道の横に、食道管腔から突出した内部にガスや食物残渣をを含んだ楕円形の構造物として食道入口部の食道憩室がエコーで見えることがあります。頸部食道以外に食道胃接合部付近の腹部食道も、肝臓背側に層構造を認める管腔臓器としてエコーで一部観察できます。また、非常に高度な食道裂孔ヘルニアでは、心エコーで胸腔内に脱出したヘルニア内容物が心臓の左心房を圧迫し、左心房内に突出するような像として病変が描出されることがあります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押してください。)

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