トピックス

上部内視鏡(逆流性食道炎)
トピックス · 06日 6月 2025
胃食道接合部は巾着の様にしまることで食べた物が逆流しにくくなっていますが、胃酸が食道に漏れて逆流することで食道粘膜を損傷する病気が逆流性食道炎です。ごく軽度の逆流性食道炎では、内視鏡で観察すると胃と食道の粘膜境界線付近の食道粘膜は、胃酸による炎症のため白濁し毛細血管が確認できません。白濁する程度の粘膜変化は内視鏡的にはほぼ正常ですが、敏感な人ではこれくらいの炎症でも胸やけや腹痛の症状を強く自覚する人もいます。それより食道粘膜の損傷がひどくなると、一部の食道粘膜に線状の粘膜障害を認めるようになります。さらに逆流による障害が悪化すると、数条の線状の粘膜障害部が連続して帯状の広い範囲に損傷部を生じることもあります。さらに高度の粘膜障害を認めると、粘膜障害部に潰瘍を生じたり、食道に全周性の粘膜障害を認めることがあり、慢性的な炎症が繰り返されることで、下部食道が変形し狭窄することもあります。また、高度の逆流性食道炎では、食道裂孔ヘルニアにより高度な逆流が起こっていることももしばしば認められます。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

超音波検査(腹水③)
トピックス · 15日 5月 2025
腹水は種々の原因で発生しますが、胃腸などの消化管の炎症が原因で腹水が見られることがあります。アニサキスはサバやイカなどの海産物に寄生する体長3-4㎝の線状の寄生虫で、アニサキスが寄生する魚介類を生食するとアニサキスが人体の胃や小腸の壁に噛みつき侵入し、激しい腹痛や嘔吐などの症状を生じます。胃アニサキス症はアニサキス虫体に対するアレルギー反応により起こるため、虫体の刺入部が小さくても胃壁は炎症により高度の壁肥厚を示し、しばしば周囲に腹水を認め、肥厚した胃壁の周囲に炎症により生じた腹水をエコーで黒く観察できることがあります。憩室とは、消化管の壁の一部が袋状に外側に出窓の様に飛び出したもので、大腸の憩室内に糞便が貯留して細菌感染による炎症が起こると憩室炎を発症し、腹痛や発熱の原因となります。また、虫垂は誰もが生まれがながらも持っている長さ4~5cmのひも状の突起物で、ここに便が詰まったりすることで虫垂に細菌感染を起こす病気が虫垂炎です。憩室炎や虫垂炎でも肥厚した腸管周囲の腹水がエコーで黒色に確認できることがあります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押してください。)

レモンの花
トピックス · 05日 5月 2025
5月になって、だんだんと日中の日差しも暖かくなってきました。4月下旬ごろから、たなべ内科クリニックのシンボルツリーであるレモンの木は、薄紫色の蕾をたくさんつけており、数日前から幾つかの真っ白い綺麗なレモンの花が所々で咲くようになっています。蕾は薄紫色ですが、花びらを広げて咲いているレモンの花は、華麗に小さな真っ白な花びらを広げています。たなべ内科クリニックのレモンの木は、ビアフランカという種類のレモンの木で、原産はイタリアのシチリア半島との事です。レモンの木は寒さによわく、暖かく乾燥した原産地の地中海のような土地での栽培が向いているそうで、冬に暖かく夏には乾燥する瀬戸内地域では栽培に適しているとのことです。 暖かな日差しの中で、たなべクリニックのレモンの木もすくすくと育ち、豊かにたくさんの葉を付けて、レモンの果実を実らせてくれることを期待しています。(さらに多くの写真を見たい方は、「続きを読む」を押してください。)

食欲不振(食欲がない)
トピックス · 04日 4月 2025
さまざまな病気が食欲不振の原因となるものの、その原因として多いのは消化器の病気です。消化器のなかでも、食道や胃、十二指腸など、実際に食物が通過する消化管に起こる病気が原因で食欲不振を発症することはよくあります。若い人の食欲不振では、胃炎や十二指腸炎、胃・十二指腸潰瘍や逆流性食道炎など胃酸が関与する上部消化管の病気で食欲不振を生じることも多く、しばしば吐き気や腹痛を伴います。また若い人の食欲不振では、精神的な影響により、食欲が低下することもしばしば見られます。一方、高齢者では悪性腫瘍が食欲不振の原因となることがあり注意が必要です。それ以外に、高齢者では種々の病気により全身状態が悪化し活動性の低下や食欲不振の原因になっていることもあります。また高齢者では認知症の一症状として、活動性の低下や食欲不振を認めることもあります。そのため食欲不振の診察では、患者さんの年齢や病状経過、随伴症状などを考慮し、血液検査やエコー、内視鏡検査など各種検査で原因を特定し、それぞれの原因疾患に対して適切な治療を行うことが必要になります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

脂質異常症(高脂血症)
トピックス · 23日 3月 2025
脂質は人体にとって、細胞膜やホルモンの原料となったり、エネルギー源として体内に貯留されるなど重要な働きを担っていますが、この脂質のうち悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪(TG)が多すぎたり、善玉コレステロール(HDL)が少なすぎる病的な状態が持続するのが脂質異常症です。悪玉コレステロール(LDL)は余分なコレステロールを血管壁に沈着させて動脈硬化を引き起こし、善玉コレステロール(HDL) は血管内に溜まったコレステロールを肝臓に戻しています。脂質異常の状態が持続すると、全身の血管が動脈硬化することで脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる病気が起こるリスクが上昇するため、それらの病気がおこる可能性を下げることが脂質異常症の治療の目的になります。治療としては肥満があれば減量を行い、適度な食事と運動を心がけるなど生活習慣の改善がまず第一ですが、体質が関与していることも多く、生活習慣を改善しても脂質異常が持続する場合には、内服薬による治療が必要になります。(さらに詳しい説明を見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

背部痛(背中の痛み)
トピックス · 13日 3月 2025
背部痛はいろいろな病気が原因でおこります。腹部の臓器のうち後腹膜臓器に起こる病気では、炎症が起こると腰背部に痛みを生じやすく、後腹膜臓器である膵臓、十二指腸、腎・尿管、下大動脈、大腸の一部などに起こる病気で背部痛を認めることがあります。そのために、膵炎や膵臓癌、十二指腸潰瘍などの消化器疾患、尿管結石や腎盂腎炎などの泌尿器疾患でしばしば背部痛を生じます。また、体動や体位により痛みが増減する背部痛では、急性腰痛や椎間板ヘルニア、椎体圧迫骨折など骨や筋肉や神経などに原因がある整形外科領域の痛みのことが多く、頻度的にも腰背部痛の原因が整形疾患のことは良くあります。それ以外にも心筋梗塞や解離性大動脈瘤のような心・血管病変や、胸膜炎や気胸などの呼吸器疾患、背部に生じた帯状疱疹でも背部痛の原因になることがあります。そのため、背部痛の診断では、痛みの場所や性状、背部痛に付随する胸痛や腹痛や発熱など他の症状の有無や、病状経過などからその原因を絞り込み、各種検査を行って適切な診断と治療を行うことが必要になります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

超音波検査(腹水②)
トピックス · 20日 2月 2025
正常でも腹腔内に少量の腹水は存在するものの、エコーで腹水が確認できる時には腹腔内の臓器に炎症が起きることで腹水が増加していることがしばしばあり、エコーで腹水の存在が確認できることが病気の発見の手掛かりになることもあります。急性肝炎は、肝炎ウイルスや自己免疫、薬剤などにより急激に高度な炎症が肝臓に起こることで発症し、炎症により肝臓の腫大を認めたり、炎症が周囲に波及すると胆嚢壁の肥厚や腹水貯留を認めることがあり、それらの所見をエコーで確認できることがあります。膵臓は食べ物の中の蛋白質を消化するための消化酵素である膵液を生成していますが、何らかの原因で膵液が活性化されることで、膵臓自身や内臓が膵液によって消化されてしまう病気が膵炎で、大量飲酒や胆石などが原因で発症し、発症すると強い上腹部痛や背部痛を認めます。急性膵炎では膵臓は腫大し、またエコーで膵臓周囲の脂肪組織が炎症により白く輝度が上昇して見えるとともに、膵臓周囲や腹腔内に腹水貯留を認めることもしばしばあり、これらの所見が病気の診断の手掛かりとなることもあります。(さらに詳しい説明と画像を見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

下腹部痛
トピックス · 02日 2月 2025
下腹部痛は様々な病気が原因となり、頻度的に多いのは消化管の病気で、便秘や下痢などに伴う腸管蠕動運動が原因の下腹部痛が実際にはよく見られます。感染性腸炎などの腸管感染症による下痢や、過敏性腸症候群で認める下痢や便秘、時に潰瘍性大腸炎やクローン病などの免疫機能が関与した腸管炎症による下痢や血便でも下腹部痛を認めます。また、腸管の蠕動運動低下などにより起こる便秘症でも、下腹部痛は起こります。さらに腸閉塞や、腸管の腫瘍性病変などによる器質的な排便障害も原因になります。一方、虫垂炎や大腸憩室炎では、痛みの場所が限局している限局性腹膜炎による体性痛を認めることが多いです。また、女性では子宮や卵巣などの婦人科疾患が下腹部痛の原因になることもあり、女性の下腹部痛では婦人科疾患にも注意が必要です。さらに尿管結石や膀胱炎、尿閉などの泌尿器疾患、動脈瘤の解離や破裂、帯状疱疹など、消化管以外の原因で下腹部痛が起こることもあり、下腹部痛の診察では腹痛以外の随伴症状や病状経過などから原因を推定し、各種検査による的確な診断・治療が必要になります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

高血圧
トピックス · 22日 1月 2025
血圧とは心臓が血液を血管に送り込む圧力で、その血圧が基準値より慢性的に高い状態が高血圧です。心臓は体中に血液を送るポンプの役割を果たしており、収縮と拡張を繰り返しています。動脈圧が心臓の収縮により最高値になった値が収縮期血圧、心臓の拡張により圧が最低になった時の圧力が拡張期血圧です。高血圧では基本的には自覚症状はなく、一日の中でも血圧は変動しており、血圧高値を認めても一時的であれば多くの場合人体に大きな影響はありません。ただし、高血圧が長期にわたり持続すると全身の血管の動脈硬化を引き起こし、脳血管障害や心疾患などの原因になります。そのため高血圧症では、無症状であるからといって放置すると将来的に命に関わってくることがあり、それらの病気の発生率を低下させるために継続した治療が必要です。高血圧の90%以上は本態性高血圧症で生活習慣病としての要素が強く、減塩や体重減少などの生活習慣の改善を行うとともに、体質的な要因もあることから、生活習慣を改善しても高値が持続する場合には、内服薬による継続的な治療が必要になります。(さらに詳しい説明が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

上腹部痛
トピックス · 11日 1月 2025
腹部の痛みは種々の原因にて発生し、胃や十二指腸、大腸など消化管の病気や、胆嚢や膵臓など消化器の病気で起こることが多いものの、尿管結石や帯状疱疹、心筋梗塞など消化器以外の病気でも上腹部痛は起こることがあります。腹痛はその痛みの性状から、内臓の動きやハリなどが内臓神経を刺激することで生じる痛みの場所が漠然とした鈍い痛みの内臓痛と、腹膜や腸間膜に分布する知覚神経が刺激されて起こる痛みの場所がはっきりした鋭い痛みの体性痛に分けられます。腹痛の診断では、上腹部の中でも、右上腹部、左上腹部、みぞおち付近、臍周囲と、痛みの出る場所に病気ごとの違いもあり、また病状経過や、痛みの性状や持続時間、腹痛に付随する症状などを知ることで、腹痛の原因がある程度推定できることもあります。実際の診療では、腹痛に関するそれらの情報から原因となる病気を推定し、そのうえで血液検査やレントゲン、エコー、CTなどの画像検査や内視鏡検査などを行うことで原因となる病気を適切に診断し、それぞれの病気に対する治療を行うことになります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

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