吐血とは食べ物の通過する消化管からの出血で、その原因としては重篤な疾患によることもあるため注意が必要です。吐いた食べ物の中にごく少量の血液が混入している程度の軽度出血であれば緊急性がそこまで高くないことも多いものの、食物残渣が少量で吐いたもののほとんどが血液成分でコップ一杯以上の量の血液を吐くような吐血の場合には、緊急性のある出血のことも多く早急な受診が必要です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍からの出血では胃酸に血液がさらされるため暗赤色から褐色のことが多いものの、大量出血では真っ赤な新鮮血のこともあります。肝硬変の患者さんでは、胃・食道静脈瘤の破裂により、大量の新鮮血の吐血を認めることもあります。また、胃と食道の境界部に裂創ができて吐血するマロリーワイズ症候群と言われる疾患では、何度か嘔吐した後に吐物の中に血液が混じってくるという病状経過が特徴的です。吐血を認めた時には、血液検査で貧血の程度を見ることでその重症度を推測するとともに、原因精査のためにしばしば内視鏡検査が行われ、内視鏡での止血術が必要になることもあります。(さらに詳しい説明と画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)