腹部の痛みは種々の原因にて発生し、胃や十二指腸、大腸など消化管の病気や、胆嚢や膵臓など消化器の病気で起こることが多いものの、尿管結石や帯状疱疹、心筋梗塞など消化器以外の病気でも上腹部痛は起こることがあります。腹痛はその痛みの性状から、内臓の動きやハリなどが内臓神経を刺激することで生じる痛みの場所が漠然とした鈍い痛みの内臓痛と、腹膜や腸間膜に分布する知覚神経が刺激されて起こる痛みの場所がはっきりした鋭い痛みの体性痛に分けられます。腹痛の診断では、上腹部の中でも、右上腹部、左上腹部、みぞおち付近、臍周囲と、痛みの出る場所に病気ごとの違いもあり、また病状経過や、痛みの性状や持続時間、腹痛に付随する症状などを知ることで、腹痛の原因がある程度推定できることもあります。実際の診療では、腹痛に関するそれらの情報から原因となる病気を推定し、そのうえで血液検査やレントゲン、エコー、CTなどの画像検査や内視鏡検査などを行うことで原因となる病気を適切に診断し、それぞれの病気に対する治療を行うことになります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)