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上部内視鏡(胃アニサキス)

上部内視鏡(胃アニサキス)

アニサキスとはサバやイカなどの魚類に寄生している体長3~4cmの線状の寄生虫です。アニサキスが寄生している海産物を生食することで体内に侵入したアニサキスが胃や腸の壁に侵入すると、強い腹痛や嘔気や嘔吐を起こします。アニサキスは人体内では長期間生存できず死滅するために、アニサキス感染を起こしても時間がたてば自然と改善することがほとんどですが、内視鏡により虫体を摘出することができれば症状がすみやかに改善することも多く、病状経過などからアニサキスが疑われた場合には診断と治療を兼ねて内視鏡検査がしばしば行われます。①~⑦はしめさばを食べた後に腹痛を認めた胃アニサキス症の同一症例画像です。①~③では胃壁に噛みついているアニサキスの虫体(水色矢印)が透明~白色線状の虫体として確認でき、③では黄色矢印の部位でアニサキスは胃に噛みつき胃壁内に侵入しています。④では確認できたアニサキスを内視鏡から挿入した鉗子で摘み取っています。⑤で掴んだアニサキスを食道を通って体外に摘出していますが、生きているアニサキスが鉗子で摘まれて丸まっているのが確認できます。同一症例のエコー画像の⑥では、胃壁が全周性に肥厚している像が確認できます。


⑦~⑰も、イカの刺身とさばを食べた後に発症した胃アニサキス症の同一症例画像です。⑦,⑧のエコー画像では、アニサキスにより胃壁(赤色矢印)は全周性に肥厚し、また⑦では十二指腸の一部(緑色矢印)の肥厚も確認できます。胃アニサキス症による症状や胃壁の肥厚などの変化は、アニサキスの虫体に対するアレルギー反応により起こるとされており、そのためアニサキスが噛みついた胃壁のみならず、胃周囲の十二指腸にまで炎症が波及し十二指腸壁が肥厚することがしばしばあります。⑧では胃壁の中でも特に胃体下部小弯から前庭部小弯側(紫色矢印)にかけて、高度な壁肥厚を示しているのがエコー画像から確認できます。⑨,⑩の内視鏡像では前庭部小弯から胃角小弯にかけて胃壁の浮腫性の肥厚を認めています。⑪~⑭では角上部小弯側に白色透明のアニサキス虫体(水色矢印)が胃壁に噛みつき、黄色矢印の部分で胃壁内に頭部を侵入させています。⑮では胃壁に噛みつき頭部を胃壁内に侵入させたアニサキスを鉗子で摘出し、⑯ではアニサキスを鉗子で摘まんだまま内視鏡を食道内を通って体外に摘出しています。⑰ではアニサキス虫体(水色矢印)は鉗子で摘み出されて体外に摘出されました。


アニサキス虫体が胃壁に噛みつき侵入すると、刺入部の胃粘膜にびらんや発赤を認めるとともに、胃壁に侵入したアニサキス虫体に対するアレルギー反応などにより、時に粘膜下腫瘍のような腫瘤を形成することが知られています。⑱~㉒はカツオとしめさばを摂取後に腹痛を発症し、内視鏡でアニサキス虫体は認めなかったものの、胃アニサキスが強く疑われた同一症例画像です。⑱で前庭部の胃粘膜は浮腫状に肥厚し、⑲,⑳では頂上にびらんを伴う丘状の隆起を認めています。このびらん面はアニサキス虫体が胃壁に刺入し脱落後にできたびらん面と思われ、アレルギー反応により胃壁は肥厚し粘膜下腫瘍様の隆起を形成しています。同症例のエコー画像㉑,㉒では胃壁(赤色矢印)は高度に肥厚し、㉒では炎症による少量腹水(紫色矢印)が胃周囲に確認できます。㉓~㉘もサバの摂取後に腹痛を認め、アニサキス虫体は発見できなかったものの各種検査から胃アニサキスが強く疑われた同一症例の画像です。㉓~㉕では頂上に発赤部(桃色矢印)を伴う隆起部(緑色矢印)が内視鏡で確認でき、アニサキスの胃壁侵入による発赤と粘膜下腫瘍様の変化と考えられました。同一症例のエコー像㉖では胃壁(赤色矢印)は高度に肥厚し、また㉗,㉘では胃前庭部大弯の壁肥厚部に、内視鏡で認めた隆起部に相当する腫瘤様組織(紫色矢印)がエコーで黒色に確認できます。

 

参考プログ

上部内視鏡(逆流性食道炎) 

上部内視鏡(食道裂孔ヘルニア)